本
いったい何が「残虐」であったのか、と問われれば、すべての人間の視線がそうであるのだ、と答えるしかありません。これを読んでいる自分自身も例外ではなく。いったい、誰を、何をもって「残虐」であるというのか。誰ひとりとして安全圏には逃げ込ませない…
何かもう設定とか脇役とかが思い出せません……。だって悪魔のミカタの1巻とかって、5年前ですよ?とか思って、調べたら、1巻から7巻までが1年間で出ているという(今となっては)衝撃の事実が。そういえばそうだったな……。悪魔のミカタ666〈3〉スコルピオン・…
週末、二人で藤の花影に座っているときなど、若い頃できなかった恋というのはこういうものか、と林ばあさんは思う。好きな男の子と手をつなぎ、知ってはならない秘密を聞かずにいる。 作者は北京で生まれ育ち、大学院から渡米して、そののち英語で小説を書き…
25冊かなあ。風邪ひいたりしてました。異動して職場が変わったんですが、まだ慣れません。毎日緊張するし、それ以上にあまりの仕事の出来なさに苛々爆発。だめですね。今月は、『先生とわたし』『滝山コミューン一九七四』『星新一 一〇〇一話をつくった人』…
本のなかみに感動するだけでは、本を愛する気持ちは十分には育たない。いずれ本から離れてしまう。なかみとは、はかないものなのだ。物として本を知ると、本への愛情が、生まれたあとも変わらない。持続する。 黙読の山が何であるかは実際に読んでいただくと…
大変おもしろかった。労作だろう、と思う。それと同時に、評伝っていったい何なんだろう、とも思った。第12章は涙なしでは読めないが、実際に存在していた人物のことを書いた文章で泣くって、そんなことが許されるんだろうか。という意味で、これもある種の…
沖縄の捕虜収容所の終戦前日からを書いた作品。つい、すっかり戦争物の人になっちゃいましたね、とか言ってしまいそうになりますが、もういいじゃない、戦争物の人で。捕虜の話なので、戦争状態の極限の緊張感はないものの、生きていることが罪悪であるとし…
新聞小説らしい力作という感じを受けました。それでいて、これだけの分厚さなのに抜群の読みやすさで、気が付くとページをめくっている感覚。はたして誰が「悪人」であったのか、それは個々人の思うところによるのでしょうが、「両方が被害者にはなれない」…
正直言って、小学生だったときのことなんてほとんど覚えちゃいないので、著者の記憶力(および記録力)に驚きつつ若干引いた。自分とは全く年代が違うので、そういう時代もあったのか、と思いながら、学校にうまく馴染めずに、日曜日に四谷大塚のテストを受…
ガジェットてんこもり。何だか最近あまりミステリを読んでいないので(以前そんなに読んでいたかどうかも思い出せないけれども)、作者の意図するものを十分に汲み取れたかどうかは疑問ですが、楽しんで読みました。深く考えずにざくざく読むもよし、いちい…
あー、この番組見たかったなー。三浦しをんのバリ編もなー。角田さんと知り合いになりたい。あしたはアルプスを歩こう (講談社文庫)作者: 角田光代出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/14メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (35件) を見る
27冊でした。夏休みあったけど、そんなに読まなかったな。もっとどっぷりする予定だったのに。かわりに早寝早起きの習慣を身につけました。最近は12時前にはだいたい寝てます。さて、8月に読んだ本の中ではもう何と言っても『囚人のジレンマ』です。ちょっと…
老年は青年を映し出す鏡です。(中略)いかに老いるかは、老い始めた人にとってより、むしろ若い人々にとって一層深刻な問題なのです。 老いにはまだまだ遠い自分でも、老いることについて考えることはあります。祖父母が老いてゆくのを見、父母が老いに近づ…
経済学者の書いた、どのように本を読むか、また本を読むことを通して得たものをどのように表していくか、ということに関する本。大きく分けて、前半部分には一般的な読書に関する話、後半部分は学生向けの話が収められています。耳が痛い言葉がいっぱいだっ…
おもしろかったけどよくわかんなかったよー。狂った家族のもとバーチウッドで成長する第1部、そこを出てサーカスで暮らす第2部、放浪の末バーチウッドに戻ってくる第3部、で書かれているんですが、どうもこの語り手が信用できないんじゃないかという気がして…
次で最後……、次で最後か……。思えば帝国の娘から8年、大きく間が空くこともなく、よくぞここまで……(ちょっと感極まってる)。さみしいけど、次の巻を楽しみに待ちたいと思います。喪の女王 7 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)作者: 須賀しの…
道尾秀介の書く青春ミステリ。全体的に見れば及第点だと思うが、相変わらずの微妙なキャラといい、うーん……と黙り込むしかない仕掛けといい、小説っぽくしてみました!みたいながんばりが見える無駄に直喩が多い文章といい、個人的にはギリギリで不可をつけ…
表紙の祐巳の顔がいくらなんでも幼すぎると思う。小学生みたいに見えます。マリア様がみてる 24 仮面のアクトレス (コバルト文庫)作者: 今野緒雪,ひびき玲音出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/06/30メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (28…
お正月編。マリア様がみてる 23 くもりガラスの向こう側 (コバルト文庫)作者: 今野緒雪,ひびき玲音出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/03/31メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (246件) を見る
いつまでも祐巳の妹問題でぐだぐだしてるので、読むのをやめてましたが、久しぶりに読むとおもしろいですね。年に1回まとめて読むのがいいかも。ちなみにまだぐだぐだしてます。なげーよ。マリア様がみてる 22 未来の白地図 (コバルト文庫)作者: 今野緒雪,ひ…
うわあ……。評判通りいまいち。漫画みたいなキャラとストーリーでそれはいいんですが、田口先生も不定愁訴外来もほとんど関係ないじゃないですか。どういうことなんだ。しょうがないから、おもしろいと言われている『ジェネラル・ルージュの凱旋』も読むか。…
父親が正体不明の病気を患っているのに、どこが悪いのか聞けない、病院に行くように言えない、つまりは事態が決定的なものになってしまうことを避けようとする家族、謎かけとゲームによって家族とコミュニケーションをとろうとする父親、囚人のジレンマとい…
短篇集。児童虐待、嫁姑、OLの友人関係等々、扱うテーマは非常に通俗的というかワイドショー的なものばかり。丹念に、静かに行動と感情をトレースされていく人々は、ふつうのひとたちで、想像もできないようなことをしているわけではない。わかる、わかるよ…
すかし系森博嗣。がお好きな向きにはたまらないZシリーズまさかの第2作。表紙を見ていただければわかるよーに、がんだむっぽいものに乗って戦います。うそです。だいたい主人公がロミ・品川って何なの、そのネーミング。敵側はわりあい普通の名前なのに。『Z…
ミステリらしいミステリを読んだな、という気分にしてくれる本。表題作のみっしり感というか、ぎりぎりまでトリックを詰め込みましたというようなつくりもすごいが、ふたつでセットの「神技」と「厄日」の変なところが好み。メタだし。しかし「厄日」を新人…
解説書がほしい……。決して難解なわけではないんですが、読み取れてない気がする。意味は抜きにして、方言とか、人間関係の濃さとか、そういうのは楽しみました。方言でこられるともうマジックリアリズムとしか思えません!(あたまわるい) 『岬』『地の果て…
ブルボン小林について解説が必要ですか?ノン!というくらいメジャーな存在(自分の中で)。もっとブルボン小林で本を出してほしい。それはさておき、ゲームの本かあ、ゲームやらないしなあ……、と買いあぐねていた本書ですが、ちょっと立ち読みしたら、常識…
岩波文庫に入っている短篇集から、ディケンズ、アンブローズ・ビアス、マーク・トウェイン等々を俎上に、短篇小説について語る本。1990年に出たものですが、最初の章で述べられている短篇小説が芸道化、お稽古ごと化しているという指摘は今も有用でしょう。…
エクスクラメーションマークまで付いておりますが、これを読んで2週間毎日課題をこなしても、小説が出来上がるわけじゃありません。小説を書く基礎体力が付いたら儲け物、くらいかな。で、小説を書かない我輩が何故これを読んだのかというと、小説の書き方の…
読んでたら飲みたくなって、まあいいかと飲んでたら、19時前なのに完全な酔っ払いがいますよ。まあいいじゃないの。だいたい毎日酔っ払いだし。酔って言いたい夜もある作者: 角田光代出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2005/08/23メディア: 単行本(ソフトカ…