2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『流血女神伝 喪の女王8』須賀しのぶ

終わっちゃったんだなー……。 8年もの長きにわたって楽しみに読み続けてきた流血女神伝、これにて完結、です。最終巻は滂沱の涙でした。喪の女王 8 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)作者: 須賀しのぶ,船戸明里出版社/メーカー: 集英社発売日: …

10月に読んだ本。

24冊。もうちょいペースをあげたいが、いろいろチャレンジもしたいお年頃。読んだものの中では、圧倒的に『千年の祈り』が素晴らしかった。撃ち抜かれるような短篇集。もう今年のベストこれに決めてもいいかも。あと、感想書いてませんが『悦楽の園』も読み…

『パンダ通』黒柳徹子・岩合光昭

ほんもののパンダを写真でさえ見たことがなかった子供の頃から、パンダに熱い思いを抱いてきた黒柳さんの気持ちと天然っぷり、そして岩合さんのパンダの写真が楽しめるパンダ好きには願ってもない1冊。『ネコを撮る』のしおりが猫だったので、もちろんこの本…

『グレート生活アドベンチャー』前田司郎

僕は東京に生まれた。 ちょうど魔王のいる洞窟に入ろうとしているところ。 前田司郎の小説のどこが好きかはうまく説明できなくて、くだらなさを最後まで捨てないところかも、と思ったりもするけど、それはまたちょっと違う気がする。何か、気が合う、という…

『あのひととここだけのおしゃべり』よしながふみ

よしながふみの対談集。お相手は、やまだないと、福田里香、三浦しをん、こだか和麻、羽海野チカ、志村貴子、萩尾望都。よしながさんは世界について正しく理解しようとしてるんだなあ、と勝手に思ってますます好きになりました。人が抱える抑圧について的確…

『木洩れ日に泳ぐ魚』恩田陸

連載小説らしい引きの強さが楽しい。木洩れ日に泳ぐ魚作者: 恩田陸出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/07メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (97件) を見る

『遠まわりする雛』米澤穂信

男子高校生が白いトレンチコート着てるのっておかしいと思うんですが。トレンチで、しかも白って。女の子ならともかく。遠まわりする雛作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 148回この商品を含むブロ…

『ミスフォーチュン』ウェズリー・ステイス

捨て子が貴族に拾われ、男の子なのに女の子として育てられ、まあその他諸々大変だったけどめでたしめでたし。幼い頃は何の疑問を持っていなかったのに、成長につれて否応なしにつきつけられる現実に葛藤するあたりがおもしろかった。ミスフォーチュン作者: …

『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹

嗚呼、村上春樹の新作長編小説が読みたい也。ねじまき鳥かカフカ再読しようかな。走ることについて語るときに僕の語ること作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/12メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 459回この商品を含むブログ (487…

『人間を守る読書』四方田犬彦

評論、漫画、絵本、小説、料理、芸術。実に様々な方面に飛んでいく書評集。この本が読みたい!というのももちろんたくさんあったけれど、それよりも、読書することの大切さをしみじみ感じた。本を読まなくていいなんてことはないのだ、絶対に。人間を守る読…

『新編 銀河鉄道の夜』宮沢賢治

内容は知っているだけに読む機会を逸していた「銀河鉄道の夜」。ああこれは知らずに読みたかったなあ。だれだばらしたやつは!と思っても、小学生の時にはもう話を知っていたのですよね。それはともかく、作品の未完成っぷりに驚きを禁じえませんでした。原…

『残虐記』桐野夏生

いったい何が「残虐」であったのか、と問われれば、すべての人間の視線がそうであるのだ、と答えるしかありません。これを読んでいる自分自身も例外ではなく。いったい、誰を、何をもって「残虐」であるというのか。誰ひとりとして安全圏には逃げ込ませない…

『悪魔のミカタ666 3』うえお久光

何かもう設定とか脇役とかが思い出せません……。だって悪魔のミカタの1巻とかって、5年前ですよ?とか思って、調べたら、1巻から7巻までが1年間で出ているという(今となっては)衝撃の事実が。そういえばそうだったな……。悪魔のミカタ666〈3〉スコルピオン・…

『千年の祈り』イーユン・リー

週末、二人で藤の花影に座っているときなど、若い頃できなかった恋というのはこういうものか、と林ばあさんは思う。好きな男の子と手をつなぎ、知ってはならない秘密を聞かずにいる。 作者は北京で生まれ育ち、大学院から渡米して、そののち英語で小説を書き…

「ガラスの街」ポール・オースター

『City of Glass』の新訳を柴田元幸が。てなことで買って読みました。「ガラスの街」だとあれですね、何か歌謡曲みたいですね。でも柴田元幸といえば原題直訳ですからね。読みながら、ああオースター初期ってこんな感じだったわあ、と思って甘酸っぱい気持ち…