『囚人のジレンマ』リチャード・パワーズ

父親が正体不明の病気を患っているのに、どこが悪いのか聞けない、病院に行くように言えない、つまりは事態が決定的なものになってしまうことを避けようとする家族、謎かけとゲームによって家族とコミュニケーションをとろうとする父親、囚人のジレンマという問題に答えは出るのか、さらにアメリカの現代史と第二次世界大戦がからむ、めくるめく物語。正直自分は結構長いこと、よくわからないなあ、と思って読んでました。しかしわかるようになってからの傑作っぷりは素晴らしい。ついていきづらい部分もあるけれど、それを乗り越えて、お金と時間と気力を使って読む価値のある本でした。

囚人のジレンマ

囚人のジレンマ