2007-01-01から1年間の記事一覧

12月に読んだ本。

20冊。ちょっきり。今月は『アンダーリポート』やら『鼻』やら『幻詩狩り』やらがおもしろかった。最近ちょっと気が合わない感じだったから不安に思いながら読んだ『ゴールデンスランバー』もなかなかに良かったですよ。アンダーリポート作者: 佐藤正午出版…

2007年に読んだ本。

振り返ります。それくらいは。読了冊数は数えるのがめんどいので数えてませんが250冊くらいか。量的には減りましたが、質的には満足のいく1年になったかと。 これはシリーズ初期から読んできた自分には衝撃的な作品でした。短篇集ですが、どれもラストがとて…

11月に読んだ本。

結局11月1回も更新しなかったネー。読了数は18冊。『オン・ザ・ロード』をしばらくひきずった挙句まだ読み終えていないのが敗因です。あと何か眠かった。20時とかに寝てました。 どんどんうまくなっていく桜庭一樹の『私の男』(えろいよー)、帯を書いてる…

『流血女神伝 喪の女王8』須賀しのぶ

終わっちゃったんだなー……。 8年もの長きにわたって楽しみに読み続けてきた流血女神伝、これにて完結、です。最終巻は滂沱の涙でした。喪の女王 8 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)作者: 須賀しのぶ,船戸明里出版社/メーカー: 集英社発売日: …

10月に読んだ本。

24冊。もうちょいペースをあげたいが、いろいろチャレンジもしたいお年頃。読んだものの中では、圧倒的に『千年の祈り』が素晴らしかった。撃ち抜かれるような短篇集。もう今年のベストこれに決めてもいいかも。あと、感想書いてませんが『悦楽の園』も読み…

『パンダ通』黒柳徹子・岩合光昭

ほんもののパンダを写真でさえ見たことがなかった子供の頃から、パンダに熱い思いを抱いてきた黒柳さんの気持ちと天然っぷり、そして岩合さんのパンダの写真が楽しめるパンダ好きには願ってもない1冊。『ネコを撮る』のしおりが猫だったので、もちろんこの本…

『グレート生活アドベンチャー』前田司郎

僕は東京に生まれた。 ちょうど魔王のいる洞窟に入ろうとしているところ。 前田司郎の小説のどこが好きかはうまく説明できなくて、くだらなさを最後まで捨てないところかも、と思ったりもするけど、それはまたちょっと違う気がする。何か、気が合う、という…

『あのひととここだけのおしゃべり』よしながふみ

よしながふみの対談集。お相手は、やまだないと、福田里香、三浦しをん、こだか和麻、羽海野チカ、志村貴子、萩尾望都。よしながさんは世界について正しく理解しようとしてるんだなあ、と勝手に思ってますます好きになりました。人が抱える抑圧について的確…

『木洩れ日に泳ぐ魚』恩田陸

連載小説らしい引きの強さが楽しい。木洩れ日に泳ぐ魚作者: 恩田陸出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/07メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (97件) を見る

『遠まわりする雛』米澤穂信

男子高校生が白いトレンチコート着てるのっておかしいと思うんですが。トレンチで、しかも白って。女の子ならともかく。遠まわりする雛作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 148回この商品を含むブロ…

『ミスフォーチュン』ウェズリー・ステイス

捨て子が貴族に拾われ、男の子なのに女の子として育てられ、まあその他諸々大変だったけどめでたしめでたし。幼い頃は何の疑問を持っていなかったのに、成長につれて否応なしにつきつけられる現実に葛藤するあたりがおもしろかった。ミスフォーチュン作者: …

『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹

嗚呼、村上春樹の新作長編小説が読みたい也。ねじまき鳥かカフカ再読しようかな。走ることについて語るときに僕の語ること作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/12メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 459回この商品を含むブログ (487…

『人間を守る読書』四方田犬彦

評論、漫画、絵本、小説、料理、芸術。実に様々な方面に飛んでいく書評集。この本が読みたい!というのももちろんたくさんあったけれど、それよりも、読書することの大切さをしみじみ感じた。本を読まなくていいなんてことはないのだ、絶対に。人間を守る読…

『新編 銀河鉄道の夜』宮沢賢治

内容は知っているだけに読む機会を逸していた「銀河鉄道の夜」。ああこれは知らずに読みたかったなあ。だれだばらしたやつは!と思っても、小学生の時にはもう話を知っていたのですよね。それはともかく、作品の未完成っぷりに驚きを禁じえませんでした。原…

『残虐記』桐野夏生

いったい何が「残虐」であったのか、と問われれば、すべての人間の視線がそうであるのだ、と答えるしかありません。これを読んでいる自分自身も例外ではなく。いったい、誰を、何をもって「残虐」であるというのか。誰ひとりとして安全圏には逃げ込ませない…

『悪魔のミカタ666 3』うえお久光

何かもう設定とか脇役とかが思い出せません……。だって悪魔のミカタの1巻とかって、5年前ですよ?とか思って、調べたら、1巻から7巻までが1年間で出ているという(今となっては)衝撃の事実が。そういえばそうだったな……。悪魔のミカタ666〈3〉スコルピオン・…

『千年の祈り』イーユン・リー

週末、二人で藤の花影に座っているときなど、若い頃できなかった恋というのはこういうものか、と林ばあさんは思う。好きな男の子と手をつなぎ、知ってはならない秘密を聞かずにいる。 作者は北京で生まれ育ち、大学院から渡米して、そののち英語で小説を書き…

「ガラスの街」ポール・オースター

『City of Glass』の新訳を柴田元幸が。てなことで買って読みました。「ガラスの街」だとあれですね、何か歌謡曲みたいですね。でも柴田元幸といえば原題直訳ですからね。読みながら、ああオースター初期ってこんな感じだったわあ、と思って甘酸っぱい気持ち…

9月に読んだ本。

25冊かなあ。風邪ひいたりしてました。異動して職場が変わったんですが、まだ慣れません。毎日緊張するし、それ以上にあまりの仕事の出来なさに苛々爆発。だめですね。今月は、『先生とわたし』『滝山コミューン一九七四』『星新一 一〇〇一話をつくった人』…

『黙読の山』荒川洋治

本のなかみに感動するだけでは、本を愛する気持ちは十分には育たない。いずれ本から離れてしまう。なかみとは、はかないものなのだ。物として本を知ると、本への愛情が、生まれたあとも変わらない。持続する。 黙読の山が何であるかは実際に読んでいただくと…

『星新一 一〇〇一話をつくった人』最相葉月

大変おもしろかった。労作だろう、と思う。それと同時に、評伝っていったい何なんだろう、とも思った。第12章は涙なしでは読めないが、実際に存在していた人物のことを書いた文章で泣くって、そんなことが許されるんだろうか。という意味で、これもある種の…

『敵影』古処誠二

沖縄の捕虜収容所の終戦前日からを書いた作品。つい、すっかり戦争物の人になっちゃいましたね、とか言ってしまいそうになりますが、もういいじゃない、戦争物の人で。捕虜の話なので、戦争状態の極限の緊張感はないものの、生きていることが罪悪であるとし…

『悪人』吉田修一

新聞小説らしい力作という感じを受けました。それでいて、これだけの分厚さなのに抜群の読みやすさで、気が付くとページをめくっている感覚。はたして誰が「悪人」であったのか、それは個々人の思うところによるのでしょうが、「両方が被害者にはなれない」…

『滝山コミューン一九七四』原武史

正直言って、小学生だったときのことなんてほとんど覚えちゃいないので、著者の記憶力(および記録力)に驚きつつ若干引いた。自分とは全く年代が違うので、そういう時代もあったのか、と思いながら、学校にうまく馴染めずに、日曜日に四谷大塚のテストを受…

『インシテミル』米澤穂信

ガジェットてんこもり。何だか最近あまりミステリを読んでいないので(以前そんなに読んでいたかどうかも思い出せないけれども)、作者の意図するものを十分に汲み取れたかどうかは疑問ですが、楽しんで読みました。深く考えずにざくざく読むもよし、いちい…

『あしたはアルプスを歩こう』角田光代

あー、この番組見たかったなー。三浦しをんのバリ編もなー。角田さんと知り合いになりたい。あしたはアルプスを歩こう (講談社文庫)作者: 角田光代出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/14メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (35件) を見る

8月に読んだ本。

27冊でした。夏休みあったけど、そんなに読まなかったな。もっとどっぷりする予定だったのに。かわりに早寝早起きの習慣を身につけました。最近は12時前にはだいたい寝てます。さて、8月に読んだ本の中ではもう何と言っても『囚人のジレンマ』です。ちょっと…

『老いるということ』黒井千次

老年は青年を映し出す鏡です。(中略)いかに老いるかは、老い始めた人にとってより、むしろ若い人々にとって一層深刻な問題なのです。 老いにはまだまだ遠い自分でも、老いることについて考えることはあります。祖父母が老いてゆくのを見、父母が老いに近づ…

『読書と社会科学』内田義彦

経済学者の書いた、どのように本を読むか、また本を読むことを通して得たものをどのように表していくか、ということに関する本。大きく分けて、前半部分には一般的な読書に関する話、後半部分は学生向けの話が収められています。耳が痛い言葉がいっぱいだっ…

『バーチウッド』ジョン・バンヴィル

おもしろかったけどよくわかんなかったよー。狂った家族のもとバーチウッドで成長する第1部、そこを出てサーカスで暮らす第2部、放浪の末バーチウッドに戻ってくる第3部、で書かれているんですが、どうもこの語り手が信用できないんじゃないかという気がして…