『エンド・ゲーム』恩田陸

読みました。常野物語の新作。裏返したり裏返されたりする拝島家の人々の話です。何作か出ていて、より大きな物語の一部であるということがわかっているので、早くそっちが読みたいよ!という意味でちょっと物足りなかったかな。まさにオセロのようにぱたぱ…

『だりや荘』井上荒野

読みました。漠然ともっとどろどろしたものをイメージしていましたが、わりとさらっとしてました。良くも悪くも、よくできました、という感じの作品。食事の描写はもっとたくさんあってもよかったんじゃないかな。だりや荘作者: 井上荒野出版社/メーカー: 文…

『エイダ』山田正紀

読みました。すごくおもしろいんだろう、ということは理解できましたが、乗り切れないままに終わってしまいました。ごめん、よくわかんなかった。オレが悪かった。エイダ (ハヤカワ文庫 JA (599))作者: 山田正紀出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1998/05/01…

『悪い男』津原泰水

読みました。映画のノベライズということで、津原泰水らしい妄想が妄想を呼ぶような眩暈感はなくわりとあっさりとした印象。映像が頭の中にちゃんと浮かんでくるのでノベライズとしてはいいのかもしれませんが、やっぱりちょっと物足りない。もっとぐらぐら…

『七姫物語』高野和

読みました。決して悪くはないんだけど、こういう系統のお話だともっとおもしろいものがあるしなあ。第1作目なので仕方がないのかもしれませんが、運命に翻弄される女の子を書きたいなら、国家統一云々は一言ふれるだけ、とかにして四宮との戦いに的を絞った…

『人生を救え!』町田康 いしいしんじ

読みました。町田康が人生相談にこたえる前半と、町田康といしいしんじが浅草とかをぶらぶら歩きながら話してる後半。これ読むと町田康はちゃんとしてるなー、と思いますね。後半で話してることもすごくふつうだし。いしいしんじが変な人だから余計そう感じ…

『マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ』今野緒雪

読みました。妹オーディション抜かしてるけどいいや。佐藤聖が出てきたのでよかったね、と*1。マリア様がみてる 21 薔薇のミルフィーユ (コバルト文庫)作者: 今野緒雪,ひびき玲音出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/07/01メディア: 文庫 クリック: 27回こ…

『GOSICK V』桜庭一樹

読みました。シリーズとしてのお話の部分が多くてミステリ的には物足りないんですが、とにかくヴィクトリカがかわいいのでいいのです。かわいい。GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)作者: 桜庭一樹,武田日向出版社/メーカー: 富…

『いつもの道、ちがう角』松尾由美

読みました。ダーク・ファンタジーの短編集。解説で西澤保彦が述べているように「奇妙な味」の短編集と言ったほうが通りがいいような気が。どの話もはっきりとしたオチがついているわけではなく、読後に言葉には出来ないもやもやした感覚が残ります。だから…

『言壺』神林長平

読みました。神林ルーチンだとか神林脳だとか言われるように(後者が言われてるのかは知りませんが)、慣れないとえらく読みにくいことで有名な神林長平にしてはかなり読みやすい作品でした。言語と世界の認識をめぐる連作短編集。すいません最後の「碑文」…

『間宮兄弟』江國香織

読みました。これを読んで確信を持ちましたよ、僕は。江國香織は底意地が悪い。間宮兄弟は都内(たぶん)のマンションにふたりで住んでる30代のモテない兄弟。まわりの人は恋愛とか関心なさそう、って思ってるけどそんなことない。ふたりとも人を好きになる…

『シフト―世界はクリアを待っている―』うえお久光

読みました。えーと、これは1巻ですよね?続きがあるんですよね?と言いたいが、この形態で2巻を出すのはキツそうだな……。電撃でいいんで、この世界観でまた書いてください。というか悪魔のミカタも書いてください。とにかくほんとにゲームにできそうな世界…

『誰のための綾織』飛鳥部勝則

読みました。ミステリ読みは、「推理小説に禁じ手などあるのだろうか。」で始まるプロローグに、否応なしにに期待を抱かされるわけですよ、地雷の予感とともに。だってそんなでかいこと言っちゃって、どうせトンデモかメタに逃げるんでしょ、っていう。結局…

『旧宮殿にて』三雲岳斗

読みました。15世紀末のミラノを舞台にレオナルド・ダ・ヴィンチが探偵役をつとめる短編集。手堅くおもしろかったんですが、全部消失トリックを扱った作品であるせいかメリハリに欠けていて、読後感がぼんやりしてます。あと時々「今で言うところの〜である…

『驚異の百科事典男』A・J・ジェイコブズ

読みました。この邦題はどうなのかな。「The Know-It-All」という原題のほうが内容を想像しやすいかも。これを書いたA・J・ジェイコブズはエスクァイアの編集者。ポップ・カルチャーには精通してるけど、最近どうも頭が悪くなった気がしてならない。ブリタニ…

『輝く断片』シオドア・スタージョン

読みました。奇想コレクションではスタージョンは2作目。『不思議のひと触れ』に続いて、このタイトルはいいなあと思います。内容は、スタージョンのミステリ寄りの非SF作品を収めた短編集。自分にとってかけがえのない何かを失うことの絶望感を描いた「ニュ…

『いさましいちびのトースター』トーマス・M・ディッシュ

読みました。夏の別荘に放置されたまま2年以上の月日を過ごした電化製品たちが、一念発起してご主人さまのいる都会まで旅をする話。短いながらもキャラがしっかりたっていて、ああこれは確かにアニメで見てみたいなあ、しかもストップモーションアニメで、と…

『空の中』有川浩

読みました。戦闘機乗りの話かと思ったら、UMAの話だったー。『海の底』と同じく、何にも考えずに一気読みできる良いエンターテイメント小説でした。フェイクかわいい。空の中作者: 有川浩出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2004/10/30メディア: 単…

『終わりのクロニクル6(上)』川上稔

読みました。エロい、むだに。なぜ半裸の挿絵が何枚もつくのですか。終わりのクロニクル (6上) (電撃文庫―AHEADシリーズ (1175))作者: 川上稔,さとやす出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2005/11/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 12回この商品…

『二人道成寺』近藤史恵

読みました。梨園を舞台に今泉文吾が謎を解くシリーズの……たぶん3作目。違うかな。シンプルな筋に歌舞伎の演目をうまくからめて、あっさりしつつも読ませる話に仕立ててます。 ミステリ・マスターズなので、巻末に著者インタビューがついているのですが、そ…

『四十日と四十夜のメルヘン』青木淳悟

読みました。表題作「四十日と四十夜のメルヘン」はおもしろかった。日記と現実と作中作が混ざり合ってぐるぐるする感じはかなり好み。この人が書いた長編を読んでみたい、と思わせるものがありました。「日本のトマス・ピンチョン」だそうですが、どうなん…

『君が代は千代に八千代に』高橋源一郎

読みました。いいところもあるけどね、という感じ。密度が低いというか、適当に書いたっぽい。その適当さに慣れてくる後半の作品になると結構楽しめる。「素数」「ヨウコ」「愛と結婚の幻想」あたりは好き。あと「SF」。SFです。君が代は千代に八千代に (文…

『人獣細工』小林泰三

読みました。みっつ短編が入っていて、とりあえずどの話にもまったく怖さのツボを刺激されませんでした。それでいいのか。「人獣細工」は話がストレートすぎて文章がもたもたしているように感じられるし、「吸血狩り」は語り手の邪気のなさを強調しすぎてオ…

『もう一人のチャーリイ・ゴードン』梶尾真治

読みました。ノスタルジー篇と銘打たれた短編集。いい話だったなあ、という印象はあるのに、何故か読んでる最中はあんまり楽しくない。妙にゆるめの文体のせいかも。どれくらいのスピードで読めば合うのかが最後までつかめなくて、もやもやした気分のまま読…

『流血女神伝 喪の女王2』須賀しのぶ

読みました。半分くらい設定を忘れてるだめなオレ……。登場人物増えてるし名前が変わったりしてる人いるし名前しか出てこない人いるし、もう無理。最早自分の記憶力の薄さを嘆くしかないのか。この長さだといちいち読み返してる時間はないので、完結してから…