『水の迷宮』石持浅海

読みました。ほかの登場人物に比べて主人公の造形が平板なため、物語に引き込まれないまま読み終わってしまった。個人的に謎解き後の探偵の行動が容認できません。いくらお話とは言え、それをやっていいのかと。これに素直に感動してる人はちょっと怖い。水…

『ヘビイチゴ・サナトリウム』ほしおさなえ

読みました。うーむ。何を読めばいいのかわからないまま読み終わってしまった。道具立ては嫌いなものはない、というかむしろ好きなものが揃っているのに、それらがうまく噛み合わないまま話が進んでいって、そのぎくしゃくとした感じがタイヤの空気が抜けた…

『となり町戦争』三崎亜記

読みました。戦争が公共事業となり、自分の住む町が戦争を始めた、という設定しかおもしろい部分がなかったよ。「冬の終わりの陽光は、抗うことなくその覇権を夜へと早々に譲り渡し」云々のいわゆる「文学的」な何も言っていないに等しい描写にはうんざりだ…

『ロマンティスト狂い咲き』小川勝己

読みました。期待しすぎたためにちょっと肩透かしをくらった感じですね。ダメ人間とダメ人間がもつれあってぐちゃぐちゃになりっぱなし泥沼に沈みっぱなしで、期待していた豪快な背負い投げがなかったのがなー……。しかしこの救いのなさはいっそすがすがしい…

『図書館の神様』瀬尾まいこ

読みました。良くも悪くも「お話」。僕自身にとっては、こういうのをいまさら読んでもなあ、という感じでした。入り口としてはいいかも、と思いますけどね。図書館の神様作者: 瀬尾まいこ出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2003/12/18メディア: 単行本…

『ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い』西尾維新

読みました。うん、終わった。終わった終わった。何かこう、適当な感じになってしまうのは適当な感じで読んでいたからで、最後までこのシリーズの良い読者になれなかったことに対して多少は残念な気持ちもあります。意図的に選択されている過剰な文体がどう…

『デウスの棄て児』嶽本野ばら

読みました。天草四郎を題材にした小説。これはだめですね。嶽本野ばらはロマンティックな/狂気の共依存関係を描く作家であり、この作品においては「デウス」という存在と天草四郎の関係がそれに当たるのでしょうが、実在しカリスマであった人物を選んだ時点…