『となり町戦争』三崎亜記
読みました。戦争が公共事業となり、自分の住む町が戦争を始めた、という設定しかおもしろい部分がなかったよ。「冬の終わりの陽光は、抗うことなくその覇権を夜へと早々に譲り渡し」云々のいわゆる「文学的」な何も言っていないに等しい描写にはうんざりだし、『となり町戦争』というタイトルですでにリアリティを欠いた「戦争」であることが示されているのだから、文中で何度も何度も「現実」とか「リアル」とか書くのは野暮としか言いようがない。一言で言えば、戦争にリアリティをもてないまま戦争に参加し戦争が終わったあともリアリティを感じられないのでセックスした、という話です。主人公が何にも考えてないんだからリアリティも何もなくて当然だと思いますけどね。
- 作者: 三崎亜記
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/01/05
- メディア: 単行本
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