2006-01-27から1日間の記事一覧

『プレーンソング』保坂和志

この「何も起こらなさ」はすごいなー。「いわゆる小説的な感情の動き」を周到に排除してあって、それゆえに登場人物の間での関係性の変化も起こらないわけですが、それでもなお良い小説はできるのだという保坂和志の最初の挑戦状であります。「何も起こらな…

「いい子は家で」青木淳悟

冒頭部分を読むと、恋人になった女性との関係が描かれるのかと思い、しかしもう少し読むと、主人公が無職で実家暮らしであることが判明しそのへんから攻めていくのかと思い、さらに読むと、母親にスニーカーを洗われたりしているのでマザコンかと思い、さら…

置く場所がないので。

ブラザーのカラーレーザー複合機「MFC-9420CN」欲しくない!

『現代小説のレッスン』石川忠司

「四章 暴力と物語領域―村上春樹・阿部和重」で語られる、「日本語のペラさ」の話がとてもおもしろかった。あと2回くらい読んだらこの心の中のもやもやしたものが文章化されるかもしれません。良い意味でもやもやした本でした。現代小説のレッスン (講談社現…

『大学受験のための小説講義』石原千秋

これは読んで良かった。センター試験と国公立二次試験で実際に出題された問題を例に、「小説の読み方」を教えてくれる本です。当然「小説の読み方」なんて読者が100人いれば100通り以上あるわけですが、試験では正解を決めなければいけないので読み方も決ま…