『誰かのことを強く思ってみたかった』角田光代・佐内正史

佐内正史の写真を見ていると、「体験していないことを思い出す」感じがする。あ、ここ見たことある、と思うのだけれど、それはいつも一度も行ったことのない場所の写真なのだ。角田光代の文章は、写真に近づきすぎない距離を保っているのに、ある瞬間ふっとリンクして、それがとても心地よい。

だれかのことを強く思ってみたかった     集英社文庫

だれかのことを強く思ってみたかった 集英社文庫