2006-05-29から1日間の記事一覧

『クリスピー物語』

クリスピー物語のおまけに文庫本がついたもの。買おうと思っていたら全然売ってなくて、2%くらい残念な気持ちになったのですが、某氏から奪取して無事読みました。執筆者は、鈴木光司、大石圭、北野勇作、小林泰三、牧野修、森山東の6人。角川ホラー文庫臭…

『我輩はシャーロック・ホームズである』柳広司

夏目漱石がシャーロック・ホームズになっちゃった(神経症で)話。にわかに我輩ブームが。嘘です。柳広司は、基本バカミスなのに唐突に出てくるシリアスさを受け入れられるか否かが、好きになるかどうかの分かれ目だと思いました。僕は好きです。吾輩はシャ…

『本の音』堀江敏幸

目が悪い、という記述を発見して、何となく腑に落ちた気分。物理的に目が悪い人は、見え方が違っていたり、耳が発達したりで、世界の音を聞き分けるのがうまかったりするから。『本の音』というタイトルはぴったり。本の音作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 晶…

『卑弥呼』久世光彦

気になりつつも読んだことがなかった小説。「女性器の名称を決める」云々というのは、話のひとつにすぎなくて、メインはむしろ主人公のもどかしい恋愛なのですね。小説の話がいっぱいでてくる楽しい恋愛小説でした(ラストのぶっ飛び具合も含め)。卑弥呼 (…

『停電の夜に』ジュンパ・ラヒリ

評判が良いだけに後回しになってしまっていたのですが、堀江敏幸の『本の音』にこの本が出ていたので、これを機会に、と一気に読みました。評判が良いのもわかるというか、良い評判に負けない良い小説でした。「三番目で最後の大陸」がいちばん好き。停電の…

『かんたん短歌の作り方』枡野浩一

枡野浩一が、短歌の作り方を教える本、かと思ったら、南Q太と会って恋に落ちて結婚したことが書いてある本だった。その後の展開を知ってると切なくなりますね。じんせいって……。いや、短歌についてもいいことは書いてあります。自分が覚えられないような下ら…

『翻訳教室』柴田元幸

東大での翻訳の授業を活字にしたもの。こんな授業が受けられるなんていいなあ。実際に翻訳をする人にとってはもちろん、小説を書く人、小説を読む人すべてにとって有益な本です。翻訳教室作者: 柴田元幸出版社/メーカー: 新書館発売日: 2006/02/01メディア: …

『バレンタイン』柴田元幸

翻訳家の名前で本が売れる希少な人気翻訳家柴田元幸が、初めての小説集を出した、というだけでもうドキドキしますね。青山ブックセンターのトークイベント会場で先行販売していたので、はいはい!買います!て感じで買ってしまいました。エッセイを読んでい…