『電話男』小林恭二

電話を介在させた現代のコミュニケーションの問題を鮮やかに描き出す、とかそういう言い方ではぜんぜんこの小説の良さを伝えられていなくて、電話男の抗争の歴史を描く、といったほうがまだしも「伝えられている」かもしれない。小林恭二の初期作品を読んで感じるのは、小説のおもしろさであり、その圧倒的なまでの自由度の高さです。何度読んでもおもしろい小説。

電話男 (福武文庫)

電話男 (福武文庫)