「冷たい水の羊」田中慎弥

読みました。第37回新潮新人賞受賞作。選評だけ読んで受賞作は読まないつもりだったんだけど、1972年生まれ工業高校卒業後現在まで無職、というニートの見本のような経歴だったので読んでみました。いじめられている中学生男子が「いじめられていない」と思うことによって自分を保とうとするという暗い話。や、でも普通にいじめられてるんだよね。冒頭の文章はよく意味がわかりませんが、家族の風景のシーンはいいと思いました。しかしほんとに暗い。暗すぎ。読んでて鬱々としてきます。
(新潮 2005年11月号所収)