『象られた力』飛浩隆

読みました。飛浩隆の初短編集だそうです。『グラン・ヴァカンス』での噎せ返るようなイメージはこれにも十分にあって、珍しくコミカルな「呪界のほとり」も、土と緑とかすかに甘いにおいがするような「夜と泥の」も、図形が感情を呼び起こす「象られた力」も、どれも素晴らしいのですが、ミステリ読みに薦めるならやはり「デュオ」でしょうか。ああ、ピアノの音が聞こえるようですよ。

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)