文芸各誌12月号これが買い。
せっかくなので、読む前にも書いてみようと思います。
新潮12月号は、佐藤友哉の新作「1000の小説とバックベアード」370枚一挙掲載。テンション上がりまくりです。そのほかは、車谷長吉、笙野頼子、中原昌也、という明るい気持ちにはなれなさそうだけど好きな人にはたまらないラインナップ。保坂和志と柴崎友香の対談もあり。
文學界12月号は、新人賞の発表。蜂飼耳の短編も。小島信夫追悼がちょこっと載ってます。
すばる12月号、今月は薄い。川上弘美くらいかなあ。あ、文芸漫談もあるねー。毎月悪くない作品はあるんだけど、いかんせん地味なのですよね、すばるは……。
群像12月号は、「なぜ日本文学はアメリカで読まれているのか」というローランド・ケルツ(編集者)の講演を柴田元幸が訳したものが載ってます。さほど分量はないので、これ目当てに買うほどではないかな。あとは中島たい子、新人賞受賞後第1作の朝比奈あすかなど。
今月は新潮>その他、ですね。
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文芸誌11月号の陣。
新潮文學界すばる群像に加え、文藝冬号の非連載小説を読みました。以下内訳。
いや今月も長かった。新潮すばる文藝では、新人賞受賞作が掲載されています。「ポータブル・パレード」「幻をなぐる」「テーパー・シャンク」「公園」「ヘンリエッタ」のうち、「幻をなぐる」はあまりにこてこての自意識が恥ずかしく読むのを諦めました(笙野頼子が推したと言えば雰囲気はわかるのでは)。読んだものでは、やはり今は文藝賞に勢いがあって、「公園」「ヘンリエッタ」共に十分に楽しめました。「公園」は、また暴力か、とは思うものの、そのペラさとご都合主義が欠点にならないのがえらいです。「ヘンリエッタ」は、梨木香歩が好きな人(特に『西の魔女が死んだ』あたり)ならはまりそう。それなりに達者。選評もあわせてどうぞ。
新潮11月号
絲山秋子「エスケイプ/アブセント」
佐川光晴「二月」
吉田直美「ポータブル・パレード」文學界11月号
木村紅美「海行き」
村上香住子「黒い鏡」すばる11月号
吉原清隆「テーパー・シャンク」
岡崎祥久「日竹カンパニ」
綿矢りさ芥川賞受賞後第1作「夢を与える」は、500枚という長編ですが、読み終わっても、りさたんたいへんだったんだね、としか思えないような作品。通過儀礼的。次回作に期待します。
仕事しすぎの絲山秋子「エスケイプ/アブセント」は相変わらず笑えるおもしろさだし、岡崎祥久「日竹カンパニ」は個人的に好きな作家であることを抜きにしてももう少し読まれてもいいと思う。
それ以外では、文學界の特集「世界の文学賞はどうなっているか」を興味深く読みました。知らない名前がどばどば出てくるよー。
新人賞、綿矢りさ、保坂和志と高橋源一郎の対談、と読みどころの多い文藝冬号は買いです。季刊だから買いじゃないとまずいけど。
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