『コップとコッペパンとペン』福永信

今いちばんの注目株の、気鋭の、異才、などといろいろ付けたくなる福永信の新刊であります。
読みやすい、っていうのは結局のところ「展開が読みやすい」に他ならないわけで、その安心感が「やすさ」に繋がるわけですが、福永信の書くものに安心感は全くありません。具体的に危険なものは何一つ出てこないのに、ただその文章の走り方が尋常じゃない。ぼんやりしてるとあっという間に振り落とされる。読んでて痺れます。表題作の「コップとコッペパンとペン」は、コップもコッペパンもペンも出てこないけれど、「コップとコッペパンとペン」という言葉の並びのような感じで進んでいく話で(たぶんそういうことなんだと思う)、この感じは読まなきゃわかんないので、読んでください。

コップとコッペパンとペン

コップとコッペパンとペン