『エスケイプ/アブセント』絲山秋子

「きゅうばんせんの、でんしゃは、きゅうこう、ぎんが、おおさか、ゆきです」
 わかってらい。でも、黙って汽車を待つ。汽車が来ることだけを待つ。
 おれこういう静かな確信みたいなもんに弱いの。

どうしよう、すごく良かったよ。「エスケイプ」も「アブセント」もそれぞれに良いし、そのうえふたつを合わせた作品として掛け算的に素晴らしくなっている。読み終えたあとの余韻の深さが只事ではない。傑作です。

エスケイプ/アブセント

エスケイプ/アブセント