『草の上の朝食』保坂和志

まだ半分も著作を読んでいないのにこんなことを言うべきではないことはわかっていますが、『プレーンソング』とその続編であるこの作品で、保坂和志は性欲がからんだかたちでの狭義の青春を書くのを終わりにしたのだと思います。劇的な何かが起こるわけではない日常を書くスタイルでは、やはり「書いている小説家」を強く意識せざるをえないのでした。

草の上の朝食 (中公文庫)

草の上の朝食 (中公文庫)