2006-03-31から1日間の記事一覧

『草の上の朝食』保坂和志

まだ半分も著作を読んでいないのにこんなことを言うべきではないことはわかっていますが、『プレーンソング』とその続編であるこの作品で、保坂和志は性欲がからんだかたちでの狭義の青春を書くのを終わりにしたのだと思います。劇的な何かが起こるわけでは…

『君がぼくに告げなかったこと』図子慧

図子慧久々の新刊。雰囲気としては恩田陸の『ネバーランド』のような、男子校、寮、謎、という感じで、恩田陸よりエロい空気が特徴でしょうか。好きな人にはたまらないのではないかと。文章も端正で読みやすいので、お、と思った方は是非。君がぼくに告げな…

『プラスティック・ソウル』阿部和重

封印されていたのもむべなるかな、という作品。三人称から一人称へさらに別の人物へふらふらと視点がかわり続けるので、読んでいると酔います。『シンセミア』が書かれたあとでは、いかんともしがたい、と作者が思うのも理解できますが、これはこれでおもし…

3月のまとめ。

33冊読了。『犬神家の一族』は4月に持ち越し。こうやってどんどんずれこんでいくんだ……。ベストは『エムズワース卿の受難録』、裏ベストは『魔王』で。4月は積読の解消を第一に考えたい。無闇に本を買わない借りない。です。