『黒冷水』羽田圭介

作者はこの作品で文藝賞を受賞した当時17歳。描かれるのは兄と弟の血みどろの家庭内抗争。いやー、怖い。リアルすぎて。お宝(主にエロ関係)求めて兄の部屋をあさる弟と、それにぶち切れて逆襲する兄。狭すぎる世界ゆえに逃げ場も引っ込みどころもない関係性がリアル。兄弟って……、とか思いながら読んでいくと、タイトルどおりの黒くて冷たいラストにたどりついて、ぞっとするわけです。これはなかなかおすすめ。
文庫版の表紙はカッターの替え刃だったんですね。いやー!

黒冷水 (河出文庫)

黒冷水 (河出文庫)