『楽園の知恵―あるいはヒステリーの歴史』牧野修

短編集だったよ。どのへんが「ヒステリーの歴史」なのかはよくわかりませんでしたがおもしろかったです。ひとつひとつに奥行きのある世界観があって、それを読んでいるだけで楽しい。屋敷島という生体建材でできた島を舞台にした「踊るバビロン」、演歌と神秘主義の関係から世界が崩壊するに至る経緯を描く壮絶にくだらない「演歌の黙示録」あたりが好みです。不条理な世界がまさに悪夢的な「いかにして夢を見るか」も良かった。