『小説の自由』保坂和志

読みました。小説について書かれた文章としか言いようがない新潮における連載を途中までまとめたもの。小説とは何かについて具体例をあげながらゆっくりと語っていくのですが、1冊読んでも何もわかった気がしません。あるいはこれ自体がある種の小説なのかも。引用したい文章が多すぎて、結局読んでもらったほうが早いような気がします。でもまあ、ひとつだけ。

私の関心というのは、ひとつは「小説の理想形」みたいなことだ。それはカフカの『城』とかガルシア=マルケスの『百年の孤独』というような具体的な作品のことではたぶんなくて、そういう小説を読んでいるあいだに訪れる、高揚感というよりももっと大きな、思考がバーッと開かれるような経験のことだ。

スーパー小説ですね。

小説の自由

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