『シンセミア(下)』阿部和重

読みました。上巻読み終わったとき、早く次が読みたいとか書いておきながら2週間近く間をあいてしまいましたが、下巻にとりかかって、おお、と思いました。間があったのに、しかも登場人物多いのに、名前を見ただけでほとんどが誰だったかすぐにわかる。がっつりキャラたってますよ。性欲と金と恐怖で動く小さな町の人間をねちっこく描いているのに、読んでいて、もうおなかいっぱい、て気分にならないのは、文体のなせる技でしょうかね。下巻のラスト、最後の1日のくだりになるとほんとうにページをめくる手がとまらなくなって、怒涛の展開にただついていくだけ。非常におもしろかったです。素晴らしい。

シンセミア(下)

シンセミア(下)