『歌の翼に』菅浩江

読了。ピアノ教室をめぐる日常系連作短編集。東京創元社から出ていないのが不思議になるくらい、それっぽい。全体的に雰囲気がとても良く、っていうかほぼ雰囲気だけであとは何もない。探偵役をつとめる亮子先生のトラウマが全体を繋ぐ謎として設定されているけど、それに対する何のひねりもない答えにがっくり。最後から二番目の「ラプソディー・イン・ブルー」読んだあと本を投げつけようかと思いましたよ。それはないだろ、と。いやいやいや、おもしろかったですよ?でもたぶん期待するものが違ったんだなあ。加納朋子が好きな人には問答無用でおすすめできそうな本ではあります。