2006-05-20から1日間の記事一覧

『うまい犯罪、しゃれた殺人』ヘンリイ・スレッサー

うん、おもしろかった。おいしいコーヒーみたいな短編集だ。うまい犯罪、しゃれた殺人 〈クラシック・セレクション〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ヘンリイ・スレッサー,高橋泰邦他出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2004/08/25メディア: 文庫購入: 1人 …

『陰日向に咲く』劇団ひとり

期待せずに読み始めて、冒頭部分の文章のつたなさに、やっぱりだめなのか……?と思ったけど、そんなことなかったです。予想したよりは全然良い出来でした。劇団ひとりのだめにんげんを鬱陶しく語る雰囲気が嫌じゃなければ、ミステリ系のひとにはふつうにおす…

『風味絶佳』山田詠美

決して力んでいない、まるで呼吸をするのと同じように文章から滲み出してくる「うまさ」が、まさに風味絶佳、というか、これはあれだ、おいしい食事と同じように体に取り入れるのが良いのでしょうね。滋味、という言葉がぴったりくる感じ。僕はまだジャンク…

『書物の運命』池内恵

20代で大佛次郎論壇賞を受賞した気鋭のアラブ学者。読書家にとっては池内紀の息子、と言ったほうが通りがいいかもしれない。ノンフィクションの書評を中心に本についての文章を集めたこの本では、歪みのないバランス感覚と、シンプルで読みやすい文章、さり…

『終末のフール』伊坂幸太郎

最近の伊坂幸太郎の小説の中ではいちばんおもしろかった。3年後に地球に隕石が衝突する世界で暮らす人々を描いた連作短編集。まあいろいろ、どうなの?と思うところはあるんですが(インフラはどうなってるの?)、読んでる間、ふっと自分も同じ世界に、3年…