『花宵道中』宮木あや子

三浦しをんの帯を見て、気になっていた本。R-18文学賞受賞作だということはすっぽり頭から抜け落ちていたので、花魁が出てくる普通の時代物だと思って読んだら、びっくりだった。そりゃ、R-18だもんな。しかしそれを抜きにしても(抜いたらだめですが)、なかなか良かった。吉原の花魁を描いた連作短篇集で、特に、表と裏の関係をなす、「花宵道中」と「青花牡丹」が出色。個人的にはもっとすっぱりと切れるようなやつが好みですが、人それぞれですしね。これは当たりでしたよ。

花宵道中

花宵道中