『ペルーからきた私の娘』藤本和子

ブローティガンなどの翻訳で知られる藤本和子のエッセイ集。ずいぶん前の本ですが、昨年トークイベントで見た人柄そのまんまの感じ(道路標識と土木工学を信頼していない、が出てきましたよ)。様々な不合理なことに、決然と顔を上げて、目をそらさずにいるのだろうな。アメリカの精神病院で物も言わず60年暮らし、亡くなっていった日本人とのわずかな出会いを書いた「白樺病棟の「高砂」」という文章は、心に残るものがありました。