『パラレル』長嶋有

デビューしてすぐに芥川賞を受賞したせいか、その後着実にうまくなっていっていて、コンスタントに良い作品を出しているのに、あまり話題にならない長嶋有。早すぎる受賞も考えものかもしれません。ゲンダイニホンブンガク自体が日陰の存在であるということもありますけれども。それはさておき、『パラレル』は『ジャージの二人』の続編(というか、主人公が一緒で、時間の流れとして後)になります。これは良かったよ。離婚して貯金を食いつぶして生活してる主人公が、適度なリアルさで良い。「自然体」を装ういやらしさが見えないところが好きです。ちょうど文庫化した『ジャージの二人 (集英社文庫)』と合わせて是非。

パラレル

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