『ピカルディの薔薇』津原泰水

『蘆屋家の崩壊』の猿渡の出てくる短篇集。待ってたよ。伯爵とコンビの回もあれば、そうではない回もあり。ああもう読んでいるだけで幸福に打ち震えるちょっと頭のおかしいファンになりさがります。これが読めるだけで幸せなんです。いちばん好きなシーンを半分だけ引用します。

「さて」とおれは家人を振り返り、「仕事に戻る。忙しくなかったらお茶を淹れてくれ。おれはいいものを書いて、家賃を稼いで……いつかすこしは贅沢もしよう。そういう冒険だよ」

ピカルディの薔薇

ピカルディの薔薇