『銃とチョコレート』乙一

あー、おもしろかった！
乙一久々の新作は、かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランドから。チョコレート、と聞いてすぐに思い浮かべる『チョコレート工場の秘密』と同じように、主人公は貧しい少年。そのリンツ少年が、ふとしたことから手に入れた地図が怪盗ゴディバのものだと気がついて、探偵ロイズに手紙を送り、そこから先はまさに二転三転めくるめくサスペンスが繰り広げられます。大人をくすぐる設定もたっぷり入っていて、最後まで飽きることがありません。リンツ、メリー、ゴディバ、ロイズ、ディーン＆デルーカ、マルコリーニ、ドゥバイヨル、ぜんぶチョコレートメーカーなんですよ。読み終わって、表紙の絵を見直し、凝ってるなあ、と感心しました。『銃とチョコレート』のタイトルが示すように、甘いだけじゃないこの物語、ミステリーランドでも1,2を争う素晴らしい作品でした。

銃とチョコレート (ミステリーランド)