『象の消滅』村上春樹

アメリカで出された短編選集を逆輸入した本。かなり手が入れられたという「レーダーホーゼン」以外はすべて既読。なかなかうまく選んでまとめられていて、既読作品も新鮮な気持ちで読むことができました。「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」のきらめき、「納屋を焼く」の静まりかえった狂気、「沈黙」の切実な筆致、その他の作品もすべてが懐かしく新しく心が震えるように感じられ、やはり僕は村上春樹から離れることはないだろう、と改めて思う。

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991