『袋小路の男』絲山秋子

もらったのをもらって読みました。「袋小路の男」と「小田切孝の言い分」と「アーリオ オーリオ」という三つの短編が入っていて、前の二つは繋がっています。よくできた小説、というのはこういうのを言うんじゃないかな。読んでいて安心感があり、かつ続きが気になり、余韻も味わい深く。おもしろかった。帯を見るとこれは「純愛小説」であるようですね。現代では、恋愛関係に陥った二人が「純愛」を続けるには、どちらかの死を必要とするわけですが(たいてい死ぬのは女の子ですけど)、これはそういういくつか流行った「純愛小説」への答えでもあるように思います。

袋小路の男

袋小路の男