『くらのかみ』小野不由美

読了。何故だかあまりひきこまれませんでした。ミステリとしては家系図やら見取り図やらが出てくる狙ったつくりだったと思うのですが、人数が多すぎて描写しきれないせいか、最後まで誰がどういう人間なのかがよくわからず、せっかくの座敷童子、旧家、人食い沼、といったおどろおどろしい道具立てが生きていないように思いました。せめて主人公の心情だけは嫌味なほど淋しく、切なく書いてほしかった。