2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『最後の喫煙者』筒井康隆

思っていたよりエグいというか血が出るのはやっぱり苦手だけど、「ヤマザキ」の投げっぱなしのやけくそ感とか、「万延元年のラグビー」のくだらなさとかはすごい好き。筒井康隆はほぼ手付かずなのでこれからぼちぼち読んでいきます。最後の喫煙者 自選ドタバ…

『狼と香辛料』支倉凍砂

なぜか花魁みたいなしゃべり方をする老獪かつキュートな賢狼ホロと行商人ロレンスが北を目指して商売しながら旅をする話。とにかくホロがかわいい。ま、いろいろ難点はあるんですが、デビュー作だし、ホロがかわいいし、及第点以上だと思います。次作に期待…

『こわれた腕輪―ゲド戦記Ⅱ』アーシュラ・K・ル=グウィン

ゲド戦記なのにゲド半分近く出てこない。1巻の終わりからしばらく時間がたっていて、その間のゲドの活躍がぽちぽち語られて気になることこの上なし。しかしこの、ざくっと時間を切ってしまう描き方こそがファンタジー!(たぶん)こわれた腕環―ゲド戦記 2作…

『獄門島』横溝正史

横溝を何冊か読んで、若い女性が殺されると「むしろ本人にとっても死んだほうがよかった」みたいなセリフであったり地の文であったりが出てくるのが気になるのですけど、慰めているつもりなのでしょうか……。それはともかく、犯人が「フェア」という言葉を口…

『七つの黒い夢』乙一,他

いったいどこが「黒い夢」なのか、と聞きたくなる作品もありますが、出来は悪くないです。値段的にも追っている作家がひとりでもいるのなら買い。乙一は相変わらずの達者さで、誉田哲也の「天使のレシート」など設定を借りて乙一で読みたかった、という感じ…