2006-06-26から1日間の記事一覧

『向日葵の咲かない夏』道尾秀介

特に期待していなかったので、案外楽しめました。まずいところがないわけじゃない、というかいろいろあるんだけど、それでもそれなりに読ませる。誰もが物語の中に生きているのですよね。ひとつだけアンフェアなんじゃないかと思うことがあるのですが、まあ…

『幽霊男』横溝正史

もっと壮大に、バーン!と話が広がるのかと思ったら、意外とちまちましたところでまとまってた。幽霊男 (角川文庫―金田一耕助ファイル)作者: 横溝正史出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1974/05/01メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (20件) …

『いつも旅のなか』角田光代

角田光代は予想外に行動派の人だなあ。世の中には2種類の人間がいる、などと乱暴なことを言うつもりはありませんが、それでも「旅する人」と「旅しない人」がいるのは事実であるように思います。圧倒的に「旅しない人」かつ「移動しない人」である自分は、家…

『Sweet Blue Age』

角田光代と森見登美彦が好み。というかもともと好きな作家なので好みもくそもないですけど。森見登美彦は全体から浮いていてそれがまた良い。好きですよ僕は。有川浩は『海の底』のキャラクターを使って書いているのだが、いや、この人の少女漫画っぷりには…

『沖で待つ』絲山秋子

読んでる最中に、あれ?これ誰が書いたんだっけ?と思ってしまった。良いんだけれど、不思議なほど心に残らない。「沖で待つ」はふつうにいい話で終わっとけばよかった気もするし。沖で待つ作者: 絲山秋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/02/23メディ…

『空中庭園』角田光代

郊外のショッピングセンター、駅からバスに乗って着く団地、駅の改札、ラブホテル、車に乗ってごはんを食べに行くところ、チープな飾りつけのお誕生日会をやるリビング、住宅展示場、そのどん詰まり感漂う場所は、確かに見たことがある。どこかで。自分の記…