2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『ダンシング・ヴァニティ』筒井康隆

これはすげーなー。御年73歳とは思えない、「枯れた」などという言葉からはかけ離れた小説。痙攣的に繰り出されるバグったような文章にノックアウトされます。とりあえず開いて2ページ分は読んでみるべき。ダンシング・ヴァニティ作者: 筒井康隆出版社/メー…

『官能的 四つの狂気』鳥飼否宇

『本格的』で登場し、一部に大人気だった変態増田助教授を探偵役にした短編集。ひどい!ひどすぎる!以前にもまして頭の悪い変態ぶりを見せ付ける増田助教授のキャラもさることながら、エピローグの脱力加減もひどい!そんなこと言われてもぜんぜん驚かない…

『いのちのパレード』恩田陸

短編集だと、恩田陸の「オチつけない癖」によるもやもや感が増幅されるかも。それにしても、かたつむりと聞くとパトリシア・ハイスミスを思い出して嫌な気持ちになります。いのちのパレード作者: 恩田陸出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2007/12/14メデ…

『長崎くんの指』東直子

閉園寸前のさびれた遊園地がゆるやかにつなぐ連作短編集。『とりつくしま』はまあまあ、わりといいかな、と思ったけれど、これはファンタジックすぎてついていけなかった。初期川上弘美からえぐみを抜いた感じ。長崎くんの指作者: 東直子出版社/メーカー: マ…

『カソウスキの行方』津村記久子

やっぱり芥川賞候補になった「カソウスキの行方」より、「花婿のハムラビ法典」のほうが出来が良いように思います。だいたい、カソウスキ、って。カソウスキの行方作者: 津村記久子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/02/02メディア: 単行本購入: 1人 クリ…

『妙なる技の乙女たち』小川一水

軌道エレベーターのふもとで生活する、近未来の「働く女子」を描いた連作短編集(最近は30代でも女子というらしいのでご勘弁を)。なんかなあ、おもしろいのですけど、微妙に恋愛をからめるのはやめてほしいなと思ったり。妙なる技の乙女たち作者: 小川一水…