2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

9月に読んだ本。

25冊かなあ。風邪ひいたりしてました。異動して職場が変わったんですが、まだ慣れません。毎日緊張するし、それ以上にあまりの仕事の出来なさに苛々爆発。だめですね。今月は、『先生とわたし』『滝山コミューン一九七四』『星新一 一〇〇一話をつくった人』…

『黙読の山』荒川洋治

本のなかみに感動するだけでは、本を愛する気持ちは十分には育たない。いずれ本から離れてしまう。なかみとは、はかないものなのだ。物として本を知ると、本への愛情が、生まれたあとも変わらない。持続する。 黙読の山が何であるかは実際に読んでいただくと…

『星新一 一〇〇一話をつくった人』最相葉月

大変おもしろかった。労作だろう、と思う。それと同時に、評伝っていったい何なんだろう、とも思った。第12章は涙なしでは読めないが、実際に存在していた人物のことを書いた文章で泣くって、そんなことが許されるんだろうか。という意味で、これもある種の…

『敵影』古処誠二

沖縄の捕虜収容所の終戦前日からを書いた作品。つい、すっかり戦争物の人になっちゃいましたね、とか言ってしまいそうになりますが、もういいじゃない、戦争物の人で。捕虜の話なので、戦争状態の極限の緊張感はないものの、生きていることが罪悪であるとし…

『悪人』吉田修一

新聞小説らしい力作という感じを受けました。それでいて、これだけの分厚さなのに抜群の読みやすさで、気が付くとページをめくっている感覚。はたして誰が「悪人」であったのか、それは個々人の思うところによるのでしょうが、「両方が被害者にはなれない」…

『滝山コミューン一九七四』原武史

正直言って、小学生だったときのことなんてほとんど覚えちゃいないので、著者の記憶力(および記録力)に驚きつつ若干引いた。自分とは全く年代が違うので、そういう時代もあったのか、と思いながら、学校にうまく馴染めずに、日曜日に四谷大塚のテストを受…

『インシテミル』米澤穂信

ガジェットてんこもり。何だか最近あまりミステリを読んでいないので(以前そんなに読んでいたかどうかも思い出せないけれども)、作者の意図するものを十分に汲み取れたかどうかは疑問ですが、楽しんで読みました。深く考えずにざくざく読むもよし、いちい…