2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『ドラママチ』角田光代

ドラママチ作者: 角田光代出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/06/28メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (87件) を見る

『夜をゆく飛行機』角田光代

夜をゆく飛行機作者: 角田光代出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/07メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (64件) を見る

『極め道』三浦しをん

極め道―爆裂エッセイ (知恵の森文庫)作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 光文社発売日: 2000/10メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (24件) を見る

『人生激場』三浦しをん

人生激場 (新潮文庫)作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/07/28メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 16回この商品を含むブログ (115件) を見る

『リジーが斧をふりおろす』ウォルター・サタスウェイト

リジーが斧をふりおろす (ハヤカワ ポケット ミステリ)作者: ウォルターサタスウェイト,Walter Saterthwait,松下祥子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1992/04メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る

『回転する世界の静止点』パトリシア・ハイスミス

回転する世界の静止点──初期短篇集1938-1949作者: パトリシア・ハイスミス,宮脇孝雄出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/01/21メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (21件) を見る

『冷血』トルーマン・カポーティ

実際に起きた事件をもとにしたノンフィクション・ノベル、である。まるで見てきたかのように描かれているが、資料と取材と文章で作り上げられた小説である。ということが読んでいる最中気になって仕方がなかった。年月をかけて綿密に練り上げられた作品だと…

『骸の爪』道尾秀介

仏所を舞台に、1作目と同じように薀蓄を傾けつつ、事件が起こり、真備が推理。こら、京○堂とか言っちゃいけません!のシリーズ2作目。ごくごくふつうにミステリとしておもしろかった。『向日葵の咲かない夏』のいかれっぷりからすると、このあっさり感は物足…

『12月のベロニカ』貴子潤一郎

うーん、傑作、とか、泣ける、とかいう話を小耳に挟んでいたせいか、それほどでもない、と感じてしまった。構成上の必要は別としても、話の進め方がぎこちなく、感情移入しきれない。いやでも、期待値を上げすぎなければ、十分におもしろいし、デビュー作に…

『少し変わった子あります』森博嗣

毎回場所の変わる名前のない料亭(なのかレストランなのか)で、女性とふたりで食事をする、というそれだけの話で、だから何なんだと言われると困るのだけれど、僕はこういう森が好きなので(『堕ちていく僕たち』とか)、楽しんで読みました。食事をするシ…

『ボトルネック』米澤穂信

好きだった女の子は東尋坊で落ちて死んだ。兄はバイクの事故で意識不明、たった今死んだという電話がかかってきた。両親はお互いに不倫をしていて、家の中では誰もが冷たい言葉を投げるために相手を監視している。 米澤穂信待望の新刊は、若さに苦さを溶かし…

8月のまとめ。

25冊でした。いやいや、感想書くのさえも諦めたとかじゃなくて、今ちょっと風邪っぴきなもんですから……、そのうち……。文芸誌も買ってちょこちょこ読んでいるので、追々。横溝は遅れを取り返しつつあります。9月は、森京極三浦しをん保坂和志津原泰水と楽しみ…

『カクレカラクリ』森博嗣

廃墟マニアの大学生が隠れ絡繰りの謎を解く話。何かコーラがよく出てくると思ったら、コカ・コーラ120周年のコラボ企画でした。そう言われてみれば、装丁もコーラの瓶の色みたいですしね。お話は、良くも悪くも森。最近の森は全部良くも悪くも森ですけど。ド…

『文学賞メッタ斬り!リターンズ』大森望/豊崎由美

あら、リターンズですって。個人的には、島田雅彦を交えてのROUND1(課長島雅彦)およびROUND4、新人作家についてあれこれ言うROUND3がおもしろかった(豊崎由美の佐藤友哉評が意外にも悪くなかったので驚いたり)。この本を読んで、青木淳悟と福永信を手に…

『遮断』古処誠二

直木賞2回ノミネートですっかり戦争物の人となった感のある古処せんせい。最初は自衛隊の人だったと思うんですが……。沖縄戦を舞台にしたこの作品も、自分に酔うことのない冷静な筆致で読ませます。非常におもしろかった。しかし、それゆえにある種の怖さを感…

『東京バンドワゴン』小路幸也

うーん、ぬるいな……。もちろんこれは「ホームドラマ」を目指して書かれたもので、このぬるさも計算のうち、なんでしょうけれども。都内の下町にある古本屋兼カフェを営む一家が、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、謎ときっぽいことをしてみたり。古本屋と…

『悪魔の手毬唄』横溝正史

自分がしでかした不始末がみんなに知れ渡っちゃうような田舎にはやっぱり住めないなと思いました。登場人物が多すぎるきらいはありますが(泰子と文子の区別がつかねえ)、いきなり切なさに落とし込むラストは結構好き。悪魔の手毬唄 (角川文庫)作者: 横溝正…

『三つ首塔』横溝正史

昼ドラもかくやのメロドラマ+怪奇ドラマが展開されるちょっと毛色の変わった作品。金田一耕介はほとんど出てこないし。主人公にして語り手の音禰ってやつが若干ムカつく娘さんなんですが(何かって言うとすぐキスして、まったく危機感が感じられないのです…

『背の眼』道尾秀介

京極っぽいという噂を耳にしていたのですが、そう思って読めば全然大丈夫と思います。知らずに読むと、おいおいそのまんまかよ、というシーンがあったりなかったり。「レエ……オグロアラダ……ロゴ……」の話が都市伝説みたいでいちばんおもしろかった。背の眼作…

『八木剛士史上最大の事件』浦賀和宏

どうしてこれがこんなにあれなのか説明できないし、その「あれ」の部分の感情もうまく言葉にはできないのですが、ああ浦賀先生さいこうですね、と今回も思いました。次の作品もとてもとても楽しみです。八木剛士史上最大の事件 (講談社ノベルス)作者: 浦賀和…

『寝ても覚めても本の虫』児玉清

海外のエンタテインメントを原書で読む児玉清とは、全然読書傾向が違うのだけれど、それでも本を読む人の本を読む話はおもしろい。実際に小説の舞台に行くって、憧れるなあ。アウトドア派読書家になりたい……、というかもうちょっと外に出ないと……。寝ても覚…

『本を読むわたし』華恵

『小学生日記』の端正な文章で読書界にセンセーションを巻き起こした華恵の2冊目の本。まだ15歳。これでまだ15歳って……。アメリカに住んでいた幼い頃から、中学に入るくらいまでの読書体験をゆっくりと振り返っています。正直さや素直さを曲げることなく書き…

『うつうつひでお日記』吾妻ひでお

だめだこの日記ってただの引きこもりの読書感想文だ! 読書と抗うつ剤と貧乏の日々、と銘打たれた『失踪日記』執筆中あたりの日記。佐藤友哉からジーン・ウルフまで、結構な量を読んでますね。カバー裏の読書日記を見て趣味が似てると思った人には是非読んで…

『文学がこんなにわかっていいかしら』高橋源一郎

当時も、そしてもちろんいまも、目に入る小説の大半は「内輪」の言葉で書かれています。いや、それでは抽象的すぎるので、言い換えましょう。それらは、流布されている「小説」というイメージを(無意識で)なぞっているだけなのです。 文学がこんなにわかっ…

『逆説探偵』鳥飼否宇

今、『逆説探偵』とタイトルを打ち込んでようやく、ああそういう意味だったか、と思いました。そんな逆説探偵が活躍しない連作短編集。連作短編集のオチはもっと豪快に投げてほしい派ですが、これはこれでするっと読めて悪くない。逆説探偵―13人の申し分なき…

『パレード』川上弘美

『センセイの鞄』のセンセイとツキコさんの、夏のひとこまを描いた掌編。ふたりで昼寝をして、ぼんやりとしたまま、「話をしてください」とねだるセンセイと、それに答えて天狗の話をするツキコさんの、やわらかな時間。過ぎてゆく時間が、涙をこらえられな…