2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

1月のまとめ。

31日って明日だと思ってたよ!だはは。読んだ本は35冊。ベストは保坂和志の『プレーンソング』。次点は『大学受験のための小説講義』でしょうか。横溝正史は『女王蜂』と『八つ墓村』の2冊を読んだので、目標クリア。2月の新刊は流血女神伝と平山瑞穂を買う…

『荒野の恋 第二部 bump of love』桜庭一樹

井上荒野は「いのうえあれの」だけど、山野内荒野は「やまのうちこうや」です。相変わらず読んでいるほうが恥ずかしくなるような少女小説です。つーかかゆい!もう!もう!荒野の恋 第二部 bump of love (ファミ通文庫)作者: 桜庭一樹,ミギー出版社/メーカー…

「おれはミサイル」秋山瑞人

2003年に星雲賞日本短編部門を受賞した作品。京都の方にSFマガジンのコピーを送っていただきました。ありがとうございます。いや、これがもう、素晴らしい……。秋山瑞人に久々に触れたせいもあるかもなのですが、泣きそうになってしまいました。戦闘機とミサ…

『超妹大戦シスマゲドン 1』古橋秀之

くっっっっっだらねええええええええ。カッコいいよフルハシ。超妹大戦シスマゲドン (1) (ファミ通文庫)作者: 古橋秀之,内藤隆出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2005/12/24メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 72回この商品を含むブログ (125件) を…

『誰か―Somebody』宮部みゆき

考えてみれば宮部みゆき読むのって『模倣犯』以来?というくらい久しぶり。あとあじがわるい、という評判は聞き及んでおりましたが、これはなあ……。ほんとうに「後味が悪い」です。何だかんだ言って悪意からは遠い安全圏にいる主人公なので、君は品行方正だ…

『羊をめぐる冒険』村上春樹

何度目かわからない再読。自分でも何でこんなにこの小説が好きなのかがわからないのですが好きすぎて困ります。読んでると高校の図書室とかそんなことをいろいろ思い出して、嗚呼ノスタルジック……、なのです。しかしこれは、子供の頃好きだったけど今食べて…

『プレーンソング』保坂和志

この「何も起こらなさ」はすごいなー。「いわゆる小説的な感情の動き」を周到に排除してあって、それゆえに登場人物の間での関係性の変化も起こらないわけですが、それでもなお良い小説はできるのだという保坂和志の最初の挑戦状であります。「何も起こらな…

「いい子は家で」青木淳悟

冒頭部分を読むと、恋人になった女性との関係が描かれるのかと思い、しかしもう少し読むと、主人公が無職で実家暮らしであることが判明しそのへんから攻めていくのかと思い、さらに読むと、母親にスニーカーを洗われたりしているのでマザコンかと思い、さら…

置く場所がないので。

ブラザーのカラーレーザー複合機「MFC-9420CN」欲しくない!

『現代小説のレッスン』石川忠司

「四章 暴力と物語領域―村上春樹・阿部和重」で語られる、「日本語のペラさ」の話がとてもおもしろかった。あと2回くらい読んだらこの心の中のもやもやしたものが文章化されるかもしれません。良い意味でもやもやした本でした。現代小説のレッスン (講談社現…

『大学受験のための小説講義』石原千秋

これは読んで良かった。センター試験と国公立二次試験で実際に出題された問題を例に、「小説の読み方」を教えてくれる本です。当然「小説の読み方」なんて読者が100人いれば100通り以上あるわけですが、試験では正解を決めなければいけないので読み方も決ま…

『模像殺人事件』佐々木俊介

青春ミステリの良作だった『繭の夏 (創元推理文庫)』とかなりイメージが違うのに戸惑いながら読み始めましたが、まあ10年のブランクがあるんだから仕方がないか。全体的な雰囲気は新本格っぽい横溝正史みたいな感じで、入れ替りトリックの使い方などはマニア…

『黒笑小説』東野圭吾

直木賞をとったケーゴたんにはこれから「直木賞とったけどぱっとしない寒川」でブラックな短編を書いてもらいたいものです。黒笑小説作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/04/26メディア: 単行本 クリック: 26回この商品を含むブログ (66件) …

『そんなに読んでどうするの?』豊崎由美

プレジデントGINZAインビテーションダカーポ婦人公論Tokyo1週間など様々な媒体に載せられた書評のおいしいとこだけ選りすぐった本。国内編と海外編に分かれているのですが、どちらも並べ方がうまい。おおお、と引きずりこまれ、読みたい本がどんどん増えてい…

『夏の名残りの薔薇』恩田陸

ううむ。『去年マリエンバートで』という映画は、常識の範疇なのでしょうか。その脚本が全編に渡って引用されているのですが、映画を知らないせいか最後までピンときませんでした。巻末のインタビューで語っている子供時代が羨ましい……。夏の名残りの薔薇作…

『痙攣的 モンド氏の逆説』鳥飼否宇

さすが鳥飼否宇というか、やっぱり鳥飼否宇というか……、のバカミス連作短編集。ロックアートマジックなどを舞台に起こる殺人事件の果ての驚愕の真相!ていうかモンド氏の正体に驚愕。何だこれ。頭おかしいよね、この人。いかんともしがたい、なんつって。げ…

『一億三千万人のための小説教室』高橋源一郎

再読。タカハシさんがわかりやすく小説の書き方を教えてくれます。いろいろ役に立つことが書いてありますが、小説とは何かを考えずに小説を書くことはできない、ということなのではないかと思いました。あと、読まずに書くな、というのもポイントかも。一億…

『マックス・マウスと仲間たち』松尾由美

マックス・マウス=ミッキー・マウスですので。ディズニー映画を見、ディズニーランドに遊びに行くことが当たり前の環境で育った世代に焦点をあてて描いた恋愛小説(ではないかもしれない。メインのテーマが結婚とセックスなので一応)。ディズニーのキャラ…

『黒冷水』羽田圭介

作者はこの作品で文藝賞を受賞した当時17歳。描かれるのは兄と弟の血みどろの家庭内抗争。いやー、怖い。リアルすぎて。お宝(主にエロ関係)求めて兄の部屋をあさる弟と、それにぶち切れて逆襲する兄。狭すぎる世界ゆえに逃げ場も引っ込みどころもない関係…

『八つ墓村』横溝正史

おもしろかったです!豊川悦司が金田一をやった映画をテレビで見た記憶がぼんやりとあって、たつやさん、とか、こいちゃのあま、とか、お婆さんがふたりで秘密の通路に入っていくところとか、そういう薄い記憶が自分の中で繋がっていくのが楽しかった。祟り…

『実験小説 ぬ』浅暮三文

ゲシュタルト崩壊。浅暮三文が思いついちゃったことを小説にしてみました、という体の短編集。ワンアイディア勝負なので、そういうのが好きかどうかが分かれ道かな。笑える話から痛い話へ、最後は怖い話へ変わっていく「遠い」がいちばん好きです。実験小説 …

『模倣の殺意』中町信

まあ、ブックオフで買ったのが悪かったんだと思いますが、読む前に折れているページがあったので直そうと開いたら、真相のひとつを明かしている部分でした。あうち。それはともかく、この構成はよくできているなあと。全体の古臭さは否めないですが、読み終…

『ハートブレイク・レストラン』松尾由美

フリーライターの主人公が仕事をするために使っているファミレスには、いつも奥の席に座っているおばあちゃんがいる。というわけで、隅の老人ものの短編集。松尾由美にしてはふつうのミステリで、まったり読むにはちょうどいい按配でした。ハートブレイク・…

『此処彼処』川上弘美

川上弘美が特定の場所について書いたエッセイ。フィレンツェからマダガスカルまで(いや、都内が圧倒的に多いですけど)、どこを切っても川上弘美的世界。やはり物の見方が違う、ということなのだと思います。此処 彼処 (ここ かしこ)作者: 川上弘美出版社/…

『アクアポリスQ』津原泰水

こういう仮定は意味がないのだけれど、著者が津原泰水でなければ十分に満足したであろう作品でした。おもしろくなかったわけではなく、楽しめなかったわけでもないのですが、僕の中で津原泰水というだけで2段階くらいハードルが上がってしまうのです。それは…

「少女七竈と七人の可愛そうな大人 第1話〜第3話」桜庭一樹

最新号一歩手前まで読みました。第2話以降登場する犬は文中ではシェパードと書いてあるのに、第2話の扉絵でははっきりとラブラドール・レトリバーなのがものすごく気になります。別に大した意味はないんだろうけど、シェパードとラブラドールはぜんぜん違う…

『レタス・フライ』森博嗣

Gシリーズまだ3作しか出てないのに短編集が出るというのはどういうことなんでしょうか。まあどうでもいいことですが。いつもの森というか、いつものように商売上手ですねと思いました。レタス・フライ (講談社ノベルス)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社…

『裁くのは誰か?』ビル・プロンジーニ/バリー・N・マルツバーグ

噂に違わぬ豪快なオチ。こんなの今やったら確実に地雷扱いですね。任期終了間近で支持率の低迷している合衆国大統領が主人公。大統領を裏切ろうとしている人間をターゲットにホワイトハウスで連続殺人が……!この舞台設定だからこそ生きてくるトリックではな…

『れんげ野原のまんなかで』森谷明子

ちょっと田舎の図書館を舞台にした司書が主人公の日常の謎系のミステリ。東京創元社お得意の路線で、予想を超えることはありませんでしたが、そっち方面が好きな人は読んで損はないと思います。児童書の話がいくつか出てくるので、子供の頃から図書館に通っ…

『ハゴロモ』よしもとばなな

『アムリタ』から長い間よしもとばなな読んでいなかったのですが、ふと図書館で見かけたのでこれを読んでみました。不倫相手にふられて田舎に帰った主人公がいろいろあって癒されるという話でした。基本的には「キッチン」と同じかな。ある種のつらさやしん…