2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

5月に読んだ本。

『流血女神伝 喪の女王 1』須賀しのぶ 『白いへび眠る島』三浦しをん 『子供たち怒る怒る怒る』佐藤友哉 『ペンギンの憂鬱』アンドレイ・クルコフ 『gift』古川日出男 『スペース』加納朋子 『シンセミア(上)』阿部和重 『グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ…

『流血女神伝 喪の女王 1』須賀しのぶ

読みましたよ。でへへ。ついにユリ・スカナ編へ。カリエは権謀術数渦巻く政治の世界へ連れて行かれてしまうんでしょうか。一時期死んだかのように出番が少なかったエドがちゃんとがんばってて、おお、と思いました。この表紙はいいよな。あんまり内容と合っ…

『白いへび眠る島』三浦しをん

読みました。おもしろかったんだけど、うーん、どこか定まらない感じがあって、読んでいるほうも何を読んでいるのか決めかねるようなところがありました。主人公は、生まれ育った島に対して、ここにいたくない、と思っているようなのだけれど、それにしては…

『フラワー・オブ・ライフ 2』よしながふみ

やっぱり真島が主役になっちゃってるよ。素晴らしくおもしろいんですが、最初の設定とかすでに忘れた。とにかく真島。それぞれにキャラがたってて、笑わせたあとに切ないシーンがあったりするんですが、とにかく真島。ボーイズラブについて懇々と説く真島。…

『子供たち怒る怒る怒る』佐藤友哉

読みました。雑誌掲載作品4編+書き下ろし2編の短編集。無力さの象徴としての子供たちが不条理な世界に飲み込まれ、それでもなお、道を見つけようとする話だと思いました。これは絶対収録されている順番に読むべきです。最後の「リカちゃん人間」がとても好…

佐藤友哉サイン会。

の整理券をもらいに渋谷のブックファーストに行ってきました。佐藤先生関係のことになると異常にアクティヴになります。血圧が上がります。整理券もらってごはんおごってもらって帰ってきました。4人だったのでわりとちゃんと本の話をしました。ラス・マンチ…

サイドバー。

つい数時間前に、サイドバーを入れるなんて云々、という話をしたのに帰ってきて即行でサイドバー入れました。や、積読リストがうらやましかったのですよね。もう何を言われても気にしない。そういう人間です。デザイン変えて、本の感想以外のこともまたぽち…

『ペンギンの憂鬱』アンドレイ・クルコフ

読みました。期待せずに読めばおもしろい、という話を聞いていたので期待せずに読みました。わりとおもしろかったです。すべてにおいてわかったようなわからないような感じで進んでいくので、スーパーナチュラルなものとかミステリ的な解決とか求めるとがっ…

『gift』古川日出男

読みました。掌編がおさめられた作品集。これは好きだ。ユーモアと不条理とその裏にある絶望。読み心地はどれも軽やか、なのに何かざりざりしてる。言ってしまえば中期村上春樹的ではあるのですが。本自体のたたずまいも良くて、ギフト、というタイトルがぴ…

『スペース』加納朋子

読みました。駒ちゃんと瀬尾さんの登場するシリーズの3作目。読んでると全身が痒くなるぜ。何でここにはいい人しかいないんだ。いや、悪意のようなものがなくはないんだけど、一瞬ちらりと姿を見せてすぐに消えてしまう。もっと苦しいほうが、息ができるよう…

『シンセミア(上)』阿部和重

読みました。あーおもしろい。登場人物が多くて半分くらいまで誰が誰やらの状態なんだけどそれを抜け出すとやめられなくなる。視点をどんどん移動させてそれぞれの欲をみっちり書いて、読者に覗き見している感覚を味わわせようとしてるんだと思う。鼻血が出…

『グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ』飛浩隆

読みました。作者があとがきで述べるように、清新で、残酷で、美しい物語。穏やかなリゾートの光景と、緻密な電脳戦と、官能的なイメージが同居していてくらくらする。しかし3部作のうちの1巻なので話が終わってない。これはこの間読んだ「空の園丁」とどう…

『Q&A』恩田陸

読みました。あれ、おもしろかったよ……?出た当初わりと評判が悪かった覚えがあるので、期待を抑えたのがよかったかな。というか、よく言われるオチがもにょもにょな恩田陸的肩透かしにがっかりしたことって実はほとんどないのです。確かに、えー、それで終…

「あなたとここにいるということ」浦賀和宏(ファウストvol.5)

読み終わってから気づいたんですが、これってもしかして前のファウストに載ってたのの続きなの?あれまだ読んでないんだよなあ。しまったなあ……。これはするすると読めておもしろかったことはおもしろかったんですが、今こういう話を書いてどうするんだろう…

「私のひょろひょろお兄ちゃん」「対ロボット戦争の前夜」「ナオミに捧ぐ 愛も汚辱のうちに」佐藤友哉(ファウストvol.5所収)

読みました。全部良くてびっくりした。特に「ナオミに捧ぐ 愛も汚辱のうちに」が好きです。サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』は10年くらい前に読んだきりなので再読したい。

『ミシン2 カサコ』嶽本野ばら

読みました。ネタバレになるから内容言えない、とか思ったけど別にそこまで気にすることないよな。「ミシン」のミシンと傘子のその後の話。続編を考えて「ミシン」を書いたのなら用意周到だなあ。ライブのシーンはなかなか感動的でした。小説の中に歌詞を書…

「あの八月の、」角田光代(野性時代2005年6月号所収)

読みました。野性時代を買ったので(佐藤さんのために)。角田光代は遠い昔に読んだことがあるようなないようなそんな記憶さえも薄れるような感じなのですが、この短編は内容が痛々しすぎてどうしようかと思いました。どうしよう。別にこういうことをしてい…

『ミシン』嶽本野ばら

読みました。表題作の「ミシン」がなかなか良いと思いました。がちがちの美意識で固めながらそこはかとないおかしみがあって、バランスがいいです。これを好きな人というのがあまりにもわかりやすく見えすぎるのには辟易しますが、それも戦略の正しさ、とい…

『パーク・ライフ』吉田修一

読みました。うーん。何を楽しめばいいのかわからなかった。文章におもしろみがあるわけでもないし、物語的に何かが起こるわけでもなく、気づいたら読み終わっていたので。表題作よりも「flowers」という短編のほうが残るものはあったけど、それもぐにゃぐに…

『僕らはどこにも開かない』御影瑛路

読みました。うーん、それなりに達者だし、嫌いじゃないんだけど、売り物にしては弱いかなあ、という感じ。この作品はやりすぎです、とあとがきに書かれているんだけど、そうは思わなかった。電撃文庫にしたらやりすぎなのかもしらんけど、1983年生まれがこ…

『θは遊んでくれたよ』森博嗣

読みました。シリーズ2作目なのに思わせぶりにしやがってこのぉ。何が仕掛けてあるのか気になって気になって……というほどではありませんが、やっぱりシリーズ最後まで読みたいと思わせるファンサービスのやり方はあざといけど釣られます。もういいんです、諦…

「空の園丁 廃園の天使Ⅱ」飛浩隆(SFマガジン4月号所収)

読みました。ハードSFなんだと思って読み始めたら全然違いました。びっくりしました。北村薫をSFにしたみたいな作風でした。わりとするする読めて好きな感じの文章だったので、他の作品も読んでみたいな、と思う次第。

『平井骸骨此中ニ有リ』田代裕彦

読みました。全体的に手ごろなつくり。読みやすいし、何より無駄に手を広げようとしていないところに好感が持てます。潑子かわいい。平井骸惚此中ニ有リ (富士見ミステリー文庫)作者: 田代裕彦,睦月ムンク出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2004/01/10メデ…

『蒼穹のファフナー』冲方丁

読みました。アニメは見てなかったんですが、えーと、エヴァと何が違うの?冲方のいいところ(いろいろ過剰なところ)も出てないように思うしなー。いまひとつ乗り切れず。蒼穹のファフナー (電撃文庫)作者: 冲方丁,平井久司出版社/メーカー: メディアワーク…

Syrup16g@恵比寿リキッドルーム

行ってきました。やー、素晴らしかったですね。新曲が全部良かった。えーと、バナナの皮ですべるやつがいちばん好きです。心にさす傘は頼りないやつも、知らない人の胸の中で思い出すのはあなたの笑顔、たぶん、のやつも、六本木ヒルズのやつも、確かなこと…

Syrup16g@恵比寿リキッドルーム

行ってきましたよ。ちょうたのしかった。何度も観てますが今まででいちばん熱かったです。前のほうにいたので酸欠になりそうなくらいでした。新曲も全部素晴らしい出来だったし、メンバーもご機嫌だったようで(珍しく五十嵐がいっぱい喋ってた。「しろっぷ……

『ツ、イ、ラ、ク』姫野カオルコ

読みました。何かこれはだめだ……。半分を超えるくらいまで読むのがつらくてつらくて仕方がなかった。文章が意味不明なんですよ。比喩はほとんど新撰組だし。それでいて描写が妙に生々しいし。ほんとどうしようかと思った。最後のほうは悪くはなかったけど、…

『人生激場』三浦しをん

読みました。何でしをんさんはそんなに胸毛スキーなのか。ワールドカップの時期の連載だったのでサッカーと胸毛の妄想が鼻血が出るほどみっしり詰まってます。人生激場作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/10/23メディア: 単行本 クリック:…

『失踪日記』吾妻ひでお

読みました。自分をこういうふうに漫画にできるというのは才能だと思うけどやっぱり奥さんはすごく大変だろうなあと思った。失踪日記作者: 吾妻ひでお出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2005/03/01メディア: コミック購入: 28人 クリック: 293回この…

『乙女なげやり』三浦しをん

読みました。妄想につぐ妄想。あまりにくだらないけどすげーおもしろい。乙女なげやり作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2004/06メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (111件) を見る